REM~すいみんのおはなし~
2024.03.13 マガジンみなさん、特に徹夜や夜更かしをした訳でもないのに、日中に眠気を感じることはありますか?
日本以外の国では、“日中に眠いことは異常”と捉えられることも少なくないようです。
OECD,Gender data portal2021: Time use across the worldによると、OECD加盟国33ヶ国中、日本人の睡眠時間が最も短い(7時間22分)ようです。当該調査の平均値は8時間27分なので、約1時間も日本人の睡眠時間が短いことになります。また、他の調査においては、日本人の就労者の40%程度は平均睡眠時間が6時間未満という報告もあります。日本は圧倒的な睡眠不足国家と言って差し支えないでしょう。
最近、僕自身も、「寝ないと辛いな、、、」と思うことが増えてきました。今回は睡眠について考えていきたいと思います。
数年前に“睡眠負債”という言葉が流行しました。本当に必要な睡眠時間に対して不足している時間が、正に“負債”として蓄積され、日中のパフォーマンスに影響を及ぼすことが研究結果から分かっています。また、恒常的に睡眠負債がたまっている場合、週末の寝だめだけでは負債を返しきれないことも分かっています。(毎日40分程度の睡眠負債がたまっている場合、十分な睡眠を3週間程度続ける必要があるという報告もあります。)
では、十分な睡眠時間とはどれくらいなのでしょうか?
必要な睡眠時間は人それぞれであり、遺伝子で決まっているという説が有力です。ですので、ショートスリーパー(一般的には5時間未満の睡眠で日中のパフォーマンスが落ちない人)は先天的にショートスリーパーなのです。ひと昔前に、ショートスリーパーになる方法という類の本が流行した時期がありましたが、あれは嘘のようです。お恥ずかしながら僕もその手の本を購入し、色々試しましたが、効果を得ることは出来ませんでした。
自分の必要な睡眠時間の調べ方はいたって簡単です。眠くなったら寝て、目覚ましをかけずに自然と目を覚ますというのを1週間程度やってみれば、その時間が自分にとって必要な睡眠時間です。睡眠の負債はたまるのに、睡眠の貯金は出来ない(必要以上に眠り続けることは出来ない)のです。
いや、簡単ではなかったですね。忙しい中でそんなことを出来る人はなかなかいませんね。本当の意味での十分な睡眠時間を毎日確保することは現実的には難しいと思いますので、いくつか睡眠に関するTIPSをご紹介します。
①朝起きたら太陽の光を浴びる
→これは有名ですね。人間の体内時計(専門用語では概日リズムとい言います。)は24時間より少し長いのですが、(個体差はありますが、日本人は24時間20分程度といわれております。)太陽の光を浴びることで、24時間と体内時計のズレをリセット出来ます。
②日中は出来るだけ活動する
→日中の活動量を上げて、疲れておくことが快適な眠りに繋がります。
③寝酒はNG
→眠れないからと言って、お酒に頼るのはよくありません。お酒を飲むと眠気は生じますが、脳が覚醒し、睡眠が浅くなります。特に日本人は寝酒の習慣をもつ人が多いと言われております。
➃お風呂に浸かるのは床につく2時間前が理想
→詳細は割愛しますが、皮膚体温と深部体温では、深部体温の方が3~5度程度高いと言われております。深部体温が放熱し(下がり)、皮膚体温が上がることが、入眠につく前の工程の一つです。この効果を最大化するのに、2時間前の入浴が推奨されています。
⑤無理に眠ろうとしない
→いつもより翌日の起床時間が早いからと言って、眠たくもないのに床につくのは、眠らなければいけないというプレッシャーを高め、より眠りにくくなることが多いです。眠れない時は一度、寝室を離れ、眠たくなったら眠ることをオススメします。
⑥エアコンは付けっぱなしで寝るのがよい。(室温を一定に保つことが推奨されている。)
→理想的な睡眠環境の三要素は、“暗いこと” “静かなこと” “快適な温度と湿度が保たれていること”です。夏場や冬場はエアコンを付けっぱなしにすることが快適な睡眠に繋がります。そこで、消費する電気代は快適な睡眠によって得られる生産性の改善を持ってすれば十分にペイすると専門家の先生は言っています。
⑦昼寝は効果的
→最近では、パワーナップという言葉も広がりつつあります。15分~20分程度の昼寝を取ることで、頭がスッキリし、生産性があがることが報告されています。昼寝の前にコーヒーを摂取するとより効果的という話もあります。(摂取して15分~20分後にカフェインが効いてくる為。)
良ければ皆さんの生活に取り入れてみてください。このような工夫で、少しでも皆さんの快適な睡眠が確保されることを願っております。僕も頑張って実践します。
少し切り口を変えて、社会学的な観点から睡眠について考えてみたいと思います。
必要な睡眠時間は遺伝子で決まると書きましたが、朝型、夜型なども遺伝子(また年齢)で決まると言われています。そうであるにも関わらず、現代社会の時計は、朝型の人にとって都合よく設定されているように感じます。夜中に生産性が最大化する人も少数ではあるが、いらっしゃるのです。朝から仕事や勉強を頑張ることが美徳とされる風潮がありますが、朝に弱い人がいる、そして決してそれはその人が怠惰な訳ではないことを知って欲しいです。それだけで少し優しい社会になります。
人は、いや、生物はなぜ眠るのでしょうか?外敵から狙われることを考えると、眠るということは生物にとって非常にリスクの高い行為とも思えます。記憶を定着させるため?それもあるでしょう。しかし、脳を持たないクラゲなどの生物も眠ることが分かっています。生物にとって眠る時間、眠り方は様々(キリンやゾウは2時間程度、コアラは18~22時間程度眠ると言われています。バンドウイルカは泳ぎながら、脳の半分を交互に眠らせるそうです。)ですが、ほぼ全ての生物が眠ります。我々の先祖のカンブリア紀の生物も眠っていたのでしょうか。神はなぜ、眠るという機能を全ての生物に与えたのでしょうか?そんなことを考えていると眠れなくなりますね。
人や社会は、いまよりも、もっとよくできる。
あなたの思いとスキルで、もっと未来は変えられる。
ソーシャルグッド志向の企業と出会える、ソーシャルグッドキャリア・プラットフォームのサイトはこちらになります。
転職市場を知るプロが「全力」で「超フラットに」相談にのる、転職ありきではないキャリアの壁打ちサービスを行っています。もやキャリ®相談室はこちらからどうぞ!