営業賛歌

2023.01.12 お知らせ

今回は営業のキャリアの捉え方について掘り下げていこうと思います。

営業を経験されたことがない方には意外かもしれませんが、営業をやっている人の中にはそれなりに実績を上げているにも関わらず、自身のキャリアに自信を持てない人が少なくないように思います。

「営業しかやったことがないので、、、」
「営業なんて誰でも出来ますよ、、、」


こんな言葉をしばしば耳にします。これを謙遜ではなく、発言される方が一定数います。


では、なぜこのようなことが起きるのか、またそのことにどのように対応すれば良いのかを仮説と自身の経験などから考えていきます。

営業に自信が持てない理由は大きく分けて2つあると考えております。


1つ目が、「学位が無い」です。
世の中には様々な学問があり、それを修めた場合に学位(学士、修士、博士など)が与えられます。経営学、医学、薬学、工学など。これらはキャリアの文脈では時に専門性という言葉に置き換えられますね。特に、研究職や士業に従事されている方は修めた学位の延長線で職業人として活躍されている方が多いでしょう。で、ここに営業学というのはないのです。個人的にはあってもいいように思うのですが、営業が対峙する変数があまりにも多く、体系的に学問として捉えるのが極めて難しいのでしょう。このことが営業が専門的な仕事ではないという錯覚を引き起こしている要因の一つといって差し支えないと考えます。

2つ目が、「何故、うまくいったか説明しづらい」です。
先にも少し触れましたが、営業の仕事においては変数が無数にあります。お客さんの状況は非常に多様ですし、工程もアポイントの取得〜クロージング・契約〜フォローとあり、どのポイントで躓くかも様々なパターンがあります。ですので、こうすれば上手くいくと断言することが難しいです。他の業務では当たり前に用意されている手順書などが用意されていることも珍しいでしょう。

こういった状況なので、実績を上げている営業の方に上手くいったポイントなどを聞いても、「諦めずに継続した」とか「やれることは全部やった」などマインド寄りの抽象的な答えしか返ってこないことがあります。これを面接でやってしまうと、面接官は「たまたま前職では上手くいったかもしれないけど、商材が変わると難しいかもな。」と、要するに再現性がないと思われてしまうかもしれません。
営業のキャリアを語る上で再現性を表現するのは他職種に比べ難しいのです。

更に、営業は日々数字に追われます。日、週、月、四半期、半期、年間と様々なKPIや実績に追いかけ回される中で、目の前の事に必死になります。「とりあえず目の前のことをやって何とか乗り切る」ことをずっと繰り返す、これが営業に従事されている多くの方の実態だと思います。このような実態であるが故に、営業の方にとっては他の職種よりもキャリアの棚卸を丁寧にする必要があるのかもしれません。

営業の目的は、モノやサービスを買ってもらうこと、更に言うと相手にこちらが望むような意識・態度の変容を促すことです。これらを構成する要素には、まずベースに行動の数があり、その上に相手のインセンティブを理解すること、そのインセンティブに応じて適切な提案をすることがあります。

各工程(アポイントの取得〜クロージング・契約〜フォロー)の中で自身がどのように

①行動の数を確保し
②相手のインセンティブを理解し
③インセンティブに応じて適切な提案をしたか(それをどのようにクロージングしたか)

を丁寧に言語化することで、商材が変わろうが、職種が変わろうが通用する普遍的な経験・強みが見えてくることでしょう。ただし、忙しい日常の中でこれらのことを考えることが難しいことも知っています。ゆっくり時間をとって、時には誰かに伴走してもらいながらキャリアの棚卸をすることをオススメしたいです。人の無意識領域にまでアプローチし意識・態度に変容を起こし、より良い状態になってもらう、営業はとてもクリエイティブ且つ夢のある仕事です。

是非、自信を持ってより良いキャリア形成に取り組んで頂ければ幸いです。

最後に、僕も10年以上に亘り2つの業界で営業に従事していました。その時に「初対面の商談ではまずはアイスブレイクで仲良くなってから〜」と何度か耳にしましたが、これは嘘なんじゃないかと思っています。このあたりはまた別の機会に掘り下げたいと思います。 

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