“好きなことを仕事にしよう”について

2024.02.14 お知らせ

“好きなことを仕事にしよう”

こんなムーブメントが日本中を席捲しております。
もちろん、この考え方に異論はございません。ただ、この言葉が生み出している現象に若干の違和感のようなものを感じております。

その違和感の所以は、この言葉の解釈の自由度の高さにあると考えます。
「好きなことを仕事にしよう。」と発する側と受け取る側で解釈、意味づけは様々なのです。

好きなこととは何でしょうか?

僕は走ることが好き、映画を観ることが好き、お酒を飲むことが好き。
残念ながらどれも仕事にはなっていません。

多くの人にとって、“好きなことを仕事にする”とはどういうことでしょうか。

自分の関心のある領域で、得意で、需要があるのならば、好きなことで稼ぐことは可能でしょう。
ただ、これは運の要素も強いと思っています。

僕の知人の息子さんはトイレの流れる音を聞くだけでそのトイレの型番(TOTOのTCF450CE型とか、LIXILのGBC-320SUとか)を当てることが出来ます。素晴らしい才能だと思いますが、残念ながら、現代でこの能力でお金を稼ぐことは出来ないでしょう。

160kmの剛速球を投げるピッチャーは巨額のお金を稼ぐことが出来ます。生まれ持った才能が世の中の人を魅了するものか否かは、運否天賦の要素が強いようにも思います。もちろん、努力の尊さを否定するつもりはございません。トイレの音を聞き分けられる彼が、“トイレの音聞き分け選手権”のようなものが存在し、現在のプロアスリート並みの報酬が設定されている世界線に生まれていれば、自分の好きなことで巨額のお金を稼いでいるかもしれません。

残念ながら先天的に得意なことと、世の中の需要のマッチングは運要素が強いですね。運の要素に望みを託し、自分の好きなことで稼ごうとする態度を固辞するのはあまり賢明な態度であるとは思えません。

好むと好まざるに関わらず、多くの人にとって生活をしていく上でお金を稼ぐことから避けては通れないでしょう。好きか嫌いかなどを一旦おいて、目の前の仕事に取り組んでみることも尊いことだと思います。

仕事の喜びは色んなところに存在します。
昨日は一日中テレアポをして1件のアポイントも取れなかったけれど、今日は2件もとれた(成長実感)、自分が提案した商品のお陰でお客さんが喜んでくれた(他者、社会への貢献)、喧々諤々のやりとりや夜中までの残業など辛いこともあったけどプロジェクトを成功に導けた(チーム内の喜びの共有)など、そこら中に仕事の喜びは転がっています。

目の前の仕事に没頭しながら、キャリアを積み上げていく中で、自分はどんな瞬間に仕事の喜びを感じるのか、どんなことにやりがいが感じられるのか、心の声に寄り添ううちに進みたい方向が見えてくるでしょう。

人によってキャリアへの向き合い方は様々でしょうが、“好きなことを仕事にするよりも、目の前の仕事を好きになる努力をする”ことでキャリアが開けることもあると思います。

転職エージェントに身を置く立場としては、“少々辛いことがあっても、この仕事なら頑張れる”そんな仕事との出会いをお手伝い出来たならば、この上ない喜びです。

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