清濁併呑2.0
2022.06.06 マガジンCOOのFです。
僕の座右の銘は87個あるんですが、その中でも特にお気に入りなのが「清濁併呑」です。
20代から30代にかけて仕事を通じて発生した葛藤はこの言葉でなぎ倒してきました。
新卒で入社した会社、その後転職した会社では10数年に亘り営業職としてキャリアを積んできました。
営業職を経験された方は共感して頂ける方もいるかもしれませんが、自身のもしくは支店や営業所の営業目標を達成するために、お客さんにとって何のメリットもないお願いをしなければいけない時がありました。
医薬品の営業をしていた時に、月末や期末に数字が苦しいとお客さんのところに行って「今月、数字が苦しいので来月分も今月に納入させてもらえませんか?」とよく頼んでいました。ひどい時には半年分買ってもらったことなんかもありました。会計に詳しくない方でも、無駄な在庫を抱えるだけの顧客にとってのデメリットしかない提案だと分かると思います。ですが、これを普通にやってました。
ご想像の通り、一度これをやってしまうと、当然、翌月の数字は厳しくなり、このお願いループから抜けられなくなります。分かっちゃいるけど、やめられないのです。この無意味な行為に心が折れてしまう、嫌気がさしてモチベーションを落としてしまう営業パーソンを沢山見てきました。
一方、僕は「清濁併呑」とデカデカと書かれた御旗を掲げ、お願いをしまくってました。要は「これは支店の数字を達成するために仕方ないこと」だと自分自分を納得させていました。もちろんお客さんに激怒されたこともありますが、お構いなし。大事なのは自分と支店の数字でした。
で、時が経過し営業職を離れて、改めて考えると「やっぱりおかしいよな」と。忘れ去られていた、善の心が僕に問いかけてきました。それから一時期、清の部分を追及しようモードで生きていました。(eumoに心酔していた時期と重なります。)
清の部分を追及した結果、上記に書いたような行為に駆り立てた原因はどうやら資本主義のシステムに帰結されるんじゃなかろうかと一旦自分の中で結論付けました。
そうすると、資本主義の悪い面がやたらと目に付きます。いつの間にか、ネガティブな事象は全ては資本主義が根本にあるという思考になっておりました。ただ、その世界観にどっぷり浸かっているうちに、様々な違和感も感じるようになりました。
で再度、一時的に出した結論は現在の人類の精神性のままでは資本主義のシステムは手放せないというものです。確かに資本主義のシステムには弊害がありますが、それでもトータルで考えるとこれ以上に精緻な人類にとって最適に機能するシステムはないのではないかと思います。
営業時代に清と濁を切り分けて、自身を無理矢理納得させていた「清濁併呑1.0」から、資本主義のメリット、デメリットも自然体に受け入れている「清濁併呑2.0」にアップデートされました。
更に全ての事象には清も濁もない、ただその事象があるだけという人類の1%しか到達しないと言われている「清濁併呑3.0」の境地にも興味があります。
カスタードクリームを、「卵、牛乳、砂糖、小麦粉」で構成されているなどとは捉えず、カスタードクリームはカスタードクリームであると捉えるように全ての事象を捉えられるようになりたいものです。
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