原体験drivenな活動の取り扱い

2022.12.14 お知らせ

仕事に夢中になったり、没頭したりする時に生産性が上がり、大きな成果に繋がりやすいことが広く認知されるようになってきました。
仕事に意味ややりがいを見出すことで、夢中になったり、没頭したりすることが出来るのでしょう。

では、仕事に意味ややりがいを見出すための重要な要素として、原体験を挙げたいと思います。

原体験の定義は、”その後の人生や価値観に大きな影響を与えた経験”としたいと思います。
※辞書によっては幼少期の体験と限定して記載されている場合もありますが、この場では年齢的な制限は考慮せずに考えます。

仕事の本質は、社会の課題を解決することを通じて利益をあげることです。
産業革命以降の経済成長によって、先進国では私たちの生活は物質的には非常に豊かになりました。衛生面も改善され人間の寿命・健康寿命も伸び続けています。洗濯機の発明により当時の専業主婦の方の平均の睡眠時間は1時間以上増えましたし、冷蔵庫の発明により食中毒は劇的に減少しました。また、インターネット、SNS、それを操るためのスマートフォンの普及により、我々は世界中の人・知と繋がることが出来るようになりました。

このように、産業革命以降、経済成長に伴って我々の成長が豊かになってきました。もっと雑に言ってしまうと、企業がそれぞれの利益のみを追求するだけで、人々の生活の豊さが実現される時代が続いてきました。(一部、例外的に企業の不祥事などはありましたが。)

言い換えると、自分の仕事が人々の生活を豊かにしている実感を感じやすい時代であったのかもしれません。

しかし、現代は多くの社会の課題(特に解決することによって利益が出る課題)が(特に先進国では)解決されてきたので、残っている課題は解決しても利益が出にくい課題であると仮説を立てることが出来るでしょう。サブサハラの貧困問題や障害などの福祉が担ってきた問題など。

この仮説が正しいとすれば、社会の課題を解決することで利益を得、持続可能な事業を継続することには多くのエネルギーが求められます。このエネルギーの供給源になるものの一つに、原体験があると思います。自身の価値観を揺るがすような強烈な体験、そこから派生する想い、これらに駆動される行動力は、与えらる仕事をこなすためのそれとは大きく違うことが安易に想像出来ます。

一例ですが、たまたま訪れた国で貧しいストリートチルドレンの姿を見て、生まれる国が違うだけでこんなにも状況が違うのか、と衝撃を受け、何か行動を起こしたい、そんな想いによって駆動される行動は非常にパワフルであると思います。

原体験を駆動力とした行動には欠点もあると思います。特に大きな組織において何故それをするのかの説明が求められます。原体験は強烈な主観ですので、客観的な説明という点で難しいことがあるのは事実です。

各種のレポートなどから社会課題を読みとり(例えば、世界にはきれいな水にアクセス出来ない方がxx億人いるなど)、綺麗な解決のストーリーに落とし込むことは出来るかもしれません。ですが、2次情報には原体験ほどの人を後押しする力は備わっていないのではないでしょうか。主観的な情報には自身の活動を後押しするパワーがあり、客観的な情報には周囲を理解・説得するだけの論理がある、どちらも重要であることが前提ですが、極めて感覚的に意見をすると、現代においては前者の方がより大切になると考えております。

これからの社会をより豊かにする重要なピースとして原体験(に駆動される行動力)を捉え

①原体験に触れる機会を意図的に作り出すこと(個人・組織)
②原体験により認識した実現したい世界を実現させるしたたかさを持つこと(個人)
③主観的な情報であっても、実現した場合の世界を想像し機会・お金・時間を投資する懐の深さを持つこと(組織)

を意識して行動すればこの世界が少しずつよくなるかもしれませんね。

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