歓声と感性

2021.11.04 お知らせ

COOのFです。

95年、96年は神戸の街が歓声に包まれた年でした。

オリックスブルーウェーブは「がんばろうKOBE」を合言葉に阪神淡路大震災からの復興のシンボルとして95年にはリーグ優勝、96年には日本一となり、被災者を勇気づけてくれました。僕も勇気づけてもらった一人です。

それから、25年という長い時を経て、96年以来の優勝を果たしてくれました。どれほど待ちわびたか、どれほど今まで悔しかったか、そして、どれほどに優勝の瞬間、歓喜の波が押し寄せたか。

ですが、この物語は、触れることを避けては通れない悲しい史実を抱えています。
大阪近鉄バファローズとオリックスブルーウェーブとの合併です。

当時の大阪近鉄バファローズの親会社である近鉄の球団売却に端を発した騒動。堀江貴文さんが買収に名乗りを上げたことでも有名ですね。

詳細には触れませんがある意味、企業と野球機構の身勝手な論理で大阪近鉄バファローズという球団が消滅してしまったのです。選手とファンに大きな悲しみ、痛みをもたらしました。愛する対象が消えてしまった訳ですからね。

スポーツは文化であり、特に土着の球団があることで生まれる文化を企業の身勝手な論理で消滅させることの罪は大きかったと思います。親会社の苦渋の決断とはいえ。

悲しみ、痛みを伴い05年に発足した、オリックスバファローズという球団。ブルーウェーブという名前、神戸がメインであった本拠地、リトル·ネプチューンという応援歌、がんばろうKOBEという合言葉、自身の身体の細胞レベルまで染み込んだものが、新球団の発足により、剥ぎ取られていきました。

当然、今までと同じ感覚で愛することが出来るはずもなく、気持ちは離れていきました。それでも、どこかで気になるんですよね。オリックスバファローズにオリックスブルーウェーブの面影を探して、応援して、裏切られて、(ホントに、弱かったですから)また気持ちが離れて、何度もこのループにハマりました。

葛藤を繰り返し、葛藤に向き合うことが出来るようになり、ようやく、ここ数年は素直にオリックスバファローズを心から応援出来るようになりました。”含んで越える”という感覚に近いかもしれません。痛み、悲しみを乗り越えた末に掴んだ栄冠。同じ過ちを繰り返して欲しくないという戒めに近い気持ちがある一方、どんなに悲しいストーリーからも意味や価値を見出す感性が人間には備わっている、そんな希望も湧いてきます。感性を磨くことが人生を豊かにしてくれる、これは自信を持って断言出来ます。

オリックスバファローズのチャンステーマの一つに「丑男〜COW BOY〜」という歌があるのですが、こんな歌詞が含まれています。

ここで立ち向かえ戦士たち
悲しみ乗り越え突き進め
真紅と蒼の魂を炎と燃やして攻めろ


※真紅は大阪近鉄バファローズの、蒼はオリックスブルーウェーブのシンボリックカラーです。
消滅してしまった2つの球団の墓標に刻み込まれたこの言葉を見ると、いつも蒼い波(涙)が押し寄せてきます。 

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